2010.05.26
バレンシアガ、ジバンシィのエレガンスを求め、
モードファンはパリからトリップ!
オークションが盛んな昨今。6月27日、「マダムXのワードローブ」と題した、バレンンシアガとジバンシィのクチュールピースを集めたモードの競売が開催される。場所はパリからTGVでたったの45分で行けるランス市にて。競売ピースは5月21日、22日にパリで展示され、ランスでは競売会場にて前日と、当日の午前中に展示される。
オークションのフライヤー。盛りだくさん!
バレンシアガのオートクチュールピース 落札予定価格は400~600ユーロ。150~200ユーロ程度のサマードレスも競売される。
でも、なぜ、この二人がセット?
物語は1968年に遡る。オートクチュールがプレタポルテにとって代わられた時代のことだ。英国の写真家セシル・ビートンに"最後のクチュリエ"と形容されたバレンシアガは、この年、突然メゾンをクローズしたのだ。顧客たちに、これからはジバンシィに行くように、というメッセージを残して。もちろんジョルジュV通りをはさんで向かいのメゾンという立地が、その理由ではない。例えば、バレンシアガのクチュールデザインの特徴の1つである、女性の首をほっそり見せる衿。彼の他でこれができるのが、彼の仕事に多いに傾倒し、多いにインスパイアーを受けていたジバンシィ。大勢のクチュリエの中でも、バレンシアガが評価していたのが後輩のクチュリエ、ジバンシィだったわけだ。
ジバンシィのオートクチュールピース。落札予定価格は、300~400ユーロ。当日オークションにかかる338点の中には、エルメスやルイ・ヴィトンなどの皮小物も含まれている。
競売の話題に加え、ナンシー市にあるシャトーでは「クリストバル・バレンシアガ、ヴネ、ジバンシィ」展が開催中という偶然が。18世紀のロレーヌ地方の黄金時代に建てられたルネッサンス様式のアルエ城。今や珍しいことに、建築から今に至るまで、ボーヴォー・キャロン家というずっと同じファミリーが持ち主。8代目の現当主であるプリンセス・ミニ・ドゥ・ボーヴォー・キャロンが、ユベール・ドゥ・ジバンシィと親しいことから、この展覧会の開催に至ったそうだ。
ユベール・ドゥ・ジバンシィによる、映画「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘップバーンが着た有名なドレス。
構築的なシルエットが美しいクリストバル・バレンシアガのドレス。
ところで、この3人めのヴネ。60~70年代のファッション・ファンでなければ、誰?と思う人もいるだろう。ジバンシィとヴネはともにスキャパレリのメゾンで仕事をしていた仲。ジバンシィが独立し、彼のメゾンのスーツ部門の主任にヴネを呼び寄せたのである(なおヴネ自身も、その10年後には自分のメゾンを開く)。ヴネはキャリアの初期に、バレンシアガのメゾンの許可のもと、バレンシアガのクチュールピースのリプロを自分の客に作っていたクチュリエのところで仕事を覚えたという経歴の持ち主である。
日本ではあまり目にすることができなかったフィリップ・ヴネの作品より。
展覧会の写真はすべて、C)Luc Castel
こうして繋がる3名のクチュリエによるフレンチ・エレガンス。歴史あるシャトー内で触れることができるのは、まさにフランスならではの体験だろう。 2011年、バレンシアガが生まれたスペインの小さな漁村ゲタリアに予定より2年遅れで、「クリストバル・バレンシアガ財団ミュージアム」がオープンする。今回展示されているバレンシアガの服は、その所蔵品からのセレクションである。
日時:6月27日(日) 15時
会場:Hotel des ventes de la porte de mars
25、rue du Temples
51100 REIMS
tel 03 26 47 32 59
クリストバル・バレンシアガ、ヴネ、ジバンシィ展
Chateau de Haroue
54740 Haroue
tel 03 83 52 40 14
www.chateaudeharoue.com
開館:14時~18時30分
(パリよりTGVでナンシーまで1時間30分。駅からシャトーまではタクシーで20分)
料金:10ユーロ
期間:~8月17日まで
