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2009.11.11

パリ、セレンディピティで、
不思議な動物たちに出会った。

icon_paris.jpg 大村真理子の今週のPARIS

目が吸い寄せられる、とはこういうことか!最近、広いスペースに移転した子供用の可愛い品と雑貨を集めたブティックのセレンディピティで、不思議な動物たちに出会った。素材はウール。微妙にけばだっている。色のグラデーションがとてもきれい。何か語りかけてくような、生き物の目。"僕、本当は人間なんです!"と訴えているようにも感じられて......、眺めているうちに、いろいろな物語が浮かんでくる。作り手をブティックのオーナーに紹介してもらった。

091109o_8.jpg (左上)過去の作品アルバムから。最近はこうしたタイプはもう制作していない。(右上)夏、SWIGの動物たちは海水浴に行く。(左下)動物の配置に、彼女が思い描く物語があることが感じられる。(右下)犬より猫の表情をつくるのが難しいそうだ。

SWIG。ドイツ生まれのスヴェア(Svea)が旧姓Wiklerとあわせて、創り上げた名前だという。二児のママの彼女は、子供が学校にいっている間、制作に励む。水と石鹸を使うので、自宅の広いキッチンがアトリエに変身する。そしてウールを水で縮めて固めるという作業の都合上、動物たちは作り始めたら一気に完成させる必要があるそうだ。

「素材がウールなので、万が一虫がいるかもしれない。おそらくついてないとは思うけど、念のため完成後は動物たちを48時間冷凍しておくのよ」。こう言って彼女は笑いながらキッチンの冷蔵庫から鹿、ネズミ、サル・・・を取り出した。作りはじめたきっかけを聞いたら、こともなげに「私の故郷では、みなこういうのを作ってるのよ」と。最初は特に商品化の意志もなく、自分の楽しみのためだった。そのうちに彼女なりにテクニックの研究、素材の追求があり、現在のような素晴らしい動物たちが生まれるように。

091109o_9.jpg (左)自宅のキッチンの窓辺においたネズミたち。(右)サルはリヴィングのシャンデリアにぶら下げて。

子供向けの本の編集が本業で、動物作りは副業にとどめておきたいという。だから、制作数を増やそう、世界のあちこちで売られるように、といったことは考えてない。出来上がったら、セレンディピティに持ってゆく、という方法で自分のリズムを守っている。

平面のウールを立体にするのは、彼女の両手。「だから動物のサイズは自然と似てくるのよね。自分の手以上に大きなサイズのものを作るときは、すごく大変!」。仕上げは、針で別色のウールをちくちくと埋め込んでゆくようにして目をつける。動物たちの表情が生き生きとしているのは、彼女の愛情がこめられているからだろう。

091109o_10.jpg (左)花やきのこなど、動物以外も制作。 (右)このままセットで欲しい! セレンディピティでの販売はタコ(45ユーロ)からフラミンゴ(239ユーロ)と、種類いろいろ。小さなキツネ(129ユーロ)がすごく愛らしい!

ブティックで、ふくろうはネズミとセットで、フラミンゴは卵とセットで販売されていた。自宅の冷蔵庫からでてきた鹿は首にマフラーが巻かれていた。「冬だから...」と言いながら、スヴェアが広げてみせてくれたマフラーには、ニンジンの模様!クリエーションの裏に、彼女が想像する物語があるようだ。SWIGはほのぼのと幸せな気持ちをもたらしてくれる、夢のオブジェ。


091109o_11.jpg
(左)これが素材となるウール。ドイツから取り寄せている。(右)作者のスヴェア。


SWIG取り扱い店

SERENDIPITY セレンディピティ
81-83, rue du Cherche-midi,
75006 PARIS
tel 01 40 46 01 15
www.serendipity.fr
営)11時~19時
休) 日・祝


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